研究報告書

研究報告書


 


「相続物件売却での譲渡所得税を控除」


 


不動産コンサルティングマスター


登録番号 (1)第32214号


金澤 修一


 
お客様からご相談を頂きマンションへの購入移転を頂きました。資産背景の詳細をお聞きした際、現在のお住まいの他に相続した空き家をお持ちになられている事が解り空き家の売却も依頼頂きました。
空き家は相続後、お住まいになられた事がない物件で居住用財産の譲渡所得税の3,000万控除を使う事ができませんでした。
そのままの売却では短期譲渡所得として所得税30%住民税9%、に加えて所得税と併せて基準所得税額(所得税額から、所得税額から差し引かれる金額を差し引いた後の金額)に2.1%を掛けて計算した復興特別所得税がかかる概要でした。
 
物件の概要は、木造セメント瓦葺2階建、床面積 1階:43.05㎡、2階:20.28㎡、昭和43年12月築。築年などを考慮した結果、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例を使った場合の方が、土地付き建物としての売却を行った際の手取り金額、税金の支払い額と対比した場合でも有益でございました。
 
被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例について、昭和56年5月31日以前に建築されたこと。区分所有建物登記がされている建物でないこと。相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。相続又は遺贈により取得した被相続人居住用家屋の全部の取壊し等をした後に被相続人居住用家屋の敷地等を売ること。 (注)被相続人居住用家屋は次の(イ)の要件に、被相続人居住用家屋の敷地等は次の(ロ)及び(ハ)の要件に当てはまることが必要です。 (イ) 相続の時から取壊し等の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。(ロ) 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付けの用又は居住の用に供されていたことがないこと。
(ハ) 取壊し等の時から譲渡の時まで建物又は構築物の敷地の用に供されていたことがないこと。相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
 
運良く全て適用した案件でした。そのため、顧客へ提案し、現況は古家がある状態で解体引渡し条件での販売を行い、買主を見つけてから、契約を行い、その後に解体除却作業後に引渡しを計画致しました。
しっかり被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例を適用できる事が要の手続きでした。税法に抵触しないように、私からは概要だけ説明しお客様から税務署の無料相談会へ3回訪問頂き、税制の裏付けをとって頂いてから売買契約を行いました。
  
相続物件を譲渡して本特例措置を受ける場合には、「被相続人居住用家屋等確認申請書」と必要書類を、住環境政策課 住環境整備室の窓口まで直接持参又は、郵送により提出し、新潟市長から「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受ける必要がありました。
 
必要書類として(1)被相続人居住用家屋等確認申請書 (2)亡くなられた所有者様の除票住民票の写し (3)申請被相続人家屋の譲渡時の相続人様の住民票の写し(相続人が複数いる場合は、全員の住民票の写しが必要)(4)敷地等の売買契約書の写し
(5)申請被相続人家屋の除却工事に係る請負契約書の写し (6)次の書類のうち、いずれか一つ(a)電気若しくはガスの閉栓証明書又は水道の使用廃止届出書
(7)除却工事(または滅失)後の敷地等の使用状況がわかる写真
(8)除却(または滅失)の時から譲渡の時までの間の固定資産課税台帳の写し、または課税明細書の写し (9)返信用封筒
 
この閉栓証明書の取得で難航しました。
居住していないものの閉栓を行っていなかった為、市役所職員と協議し、長期間にわたる使用量の証明を行い、市から「被相続人居住用家屋等確認書」の交付を受けることができ、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例を適用でき、顧客からも満足頂き、更地渡しでの売却決済を無事完了させることができました。
 
新潟市でも人口の変動が著しく、平成30年10月末日時点 新潟市の人口は793,383人になります。
新潟市で統計されたデーダー(資料:国勢調査,国立社会保障・人口問題研究所)から同市が想定している推移については、平成52年の本市の推計人口は668,345人となり、平成22年から143,556人減少。15~64歳人口は、平成52年には35.6万人となり16万人の減少となります。一方、65歳以上人口は、24.9万人になると推計されています。政令市別での現在の人口順位は、19政令市中15位。
男女ともに「60~64歳」が最も多く、今後、高齢者数(65歳以上)が急激に増加する見込みです。
 
今後は空き家問題が更に身近になり、解体工事での売却案件も増加することが予想されます。お客様の育った住まいを残しておきたいお気持ち、売却時の譲渡所得税は発生する点、親が介護施設に入られる時期に痴呆、後見制度の問題が発生するなど、おお客様に最善の方法をご提案するには、様々な分野での知識がなければ解決できない複雑な問題があります。不動産の総合知識が試験問題になっております。不動産コンサルティングマスターの経験を活かし、1件でも多く、悩まれているお客様の空き家問題を解決して差し上げた所存でございます。そのために、更なる経験と知識を蓄え成長して参ります。