フローリング掃除
フローリングの構造と知識
フローリングは、写真のような床材を継ぎ合わせた構造になっています。化粧板の表面は樹脂加工が施されていますが、時間とともに摩耗してツヤがなくなります。保護膜が十分でないと、水拭きの際に継き目から水が浸入して化粧版がはがれたり、継ぎ目が広がったりするおそれがあります。そのため、床用ニスやワックスを塗って新たに被膜を作るお手入れが必要です。床用ニスはワックスより強い被膜を作るので塗り替えも1 ~2年に1回でよく、水拭き・洗剤拭きができます。対して、ワックスは4~6カ月に1度の塗り替えが必要ですが、樹脂系ワックスなら床用ニスよりも手軽に塗れるという利点があります。
□一般的なフローリング材の寸法
表面にUV塗装やセラミック加工か施されたフローリングは床用ニスが塗れないので、樹脂系ワックスでのお手入れをおすすめします。
樹脂系ワックスの塗り方
□古いワックスの上に塗り重ねる場合
掃除機をかけた後、住宅用中性洗剤で拭きます。汚れをきれいに落としておかないと、汚れの上にワックスを塗ることになってしまいます。特に油汚れを残したままワックスを塗ると乾いてもベタつきが残るので台所の床などは、食器用洗剤で入念に拭き掃除しましょう。雑巾で水拭きして洗剤の成分を拭き取って乾燥させます。
□古いワックスを落として塗る場合
ロウタイプのワックスを塗った床は、古い被膜を完全に落としてから出ないと樹脂系ワックスが塗れません。また、ワックスを数回塗り重ねて薄汚れた感じになった場合も、一度ワックスを落としてから塗り直します。専用のワックスはがし液を塗って、3分ほど置いてから、ナイロンタワシで古いワックスをこすり落とします。2~3回水拭きしてはがし液を完全に拭き取って乾かします。
施工の手順
床1m²に対して10㎖くらいを目安にワックス液を点々とまきます。厚塗りしないよう、ワックスの量に注意しましょう。→きれいな雑巾布でムラなく塗り広げます。ワックスを塗るための専用の道具も市販されています。
ワンポイント
部屋の隅から塗り始め、終わりが部屋の出入り口になるように塗り進めます。ワックスが完全に乾くまでは部屋への出入りは禁止です。ワックスを初めて塗る場合は、乾燥後に2度塗りをすると、より強い被膜ができます。
フローリングについたキズの補修
□浅い引っかきキズ
浅い引っかきキズは、ペンタイプのアルコール系着色補修材で目立たなくすることができます。各色あるので床の色に合わせて選ぶか、複数の色を組み合わせて調色しましよう。
フローリングに近い薄い色を木目にそって塗ります。表面についた浅いキズならこれだけで目立たなくなります。
木目を横切るキズの場合は、フローリングの基調色に近い薄い色で塗ったあと、少し濃い色で本目を描くと自然な仕上がりになります。
□深いキズ、へこみ
大きなキズやへこみには、クレヨンタイプの補修材、または樹脂タイプの補修材がおすすめ。クレヨンタイプの補修材は塗るだけと作業が簡単ですが、時間が経つと補修材がはがれてしまします。樹脂タイプの補修材は、床のキズやへこみに加熱した樹脂を流し込むので補修箇所の強度が高いのが特徴です。
クレヨンタイプの補修材を使う
色合いの近い補修材をキズに塗りつけて埋め込みます。平らにならして、余分な補修材をとります。うまく塗りこめない場合は、補修材の先端をドライヤーで温めて、少しやわらかくして塗るとよいでしょう。周囲についた補修材を雑布で拭きとって作業完了です。
樹脂タイプの補修材を使う
専用の電熱コテで樹脂補修材を温めて溶かし、キズに流し込みます。電熱コテで平らにならして作業完了です。へこみの場合は、透明な樹脂を選ぶと補修した跡が目立ちません。クレヨンタイプよりも補修箇所の強度が高く仕上げられるのが利点です。
ワンポイント
補修材の色がフローリングに合わない場合は、複数の色を混ぜて調色して使います。樹脂タイプの補修材は、電熱コテの上で2色を溶かし、楊枝で混ぜ合わせましょう。