襖張替え(本襖)
本ぶすまの張り替える
□本ぶすまの構造
本ぶすまは、伝統的なつくりのふすまのことです。骨組みである組子に、ふすま紙を何重か重ねて張って、枠をはめ込んだ構造です。張り替えの際には、枠を取りはずす必要があります。
1目印を書いて張る
あとで元通りに戻せるように、枠にマスキンクテープを貼って、サインぺンで目印を書いておきましよう。何枚も同時に張り替える場合は、ふすまの番号と、上下左右を書いておくと取り違えを防げます。
2左右の枠をはすす
左右のタテ枠は析れ合いクギか木ネジではめ込んであります。当て木をして、カナヅチで上から下へ叩くと、枠がスライドします。枠を数センチずらしてから、枠はずしで持ち上げると枠がはずれます。動かない場合は、下から叩くとはずれる場合もあります。
枠はずし
ふすまの枠を取り外すのに使う、小型のバールです。
3上下の枠をはずす
上下のヨコ枠はクギで打ちつけられています。キスをつけないように、枠とふすまの問に枠はずしを差し込み、こじって起こしましよう。硬ければ、クキの近くに差し込んだ枠はずしをカナヅチで叩くとよいでしよう。
4引き手をはずす
引き手の上下2カ所に打たれている細クギを、専用のクギ抜きを使って引き抜きます。枠はずしで引き手を軽くこじって起こしてから元に戻すと、クギの頭が出るのでクギ抜きでつかみやすくなります。片方のクギを抜いてから、もう一方を引き手を使って引き抜きます。細クギをなくさないように、引き手といっしょに保管しておきましよう。
引き手用クギ抜き
引き手を固定している紐クギを抜くための専用工具です。
5ふすま紙を切る
ふすま紙を広げた上にふすまをのせて、四方が数cm大きめになるようにハサミで切ります。ふすま紙には巻きグセがついています。シワをつけないように、逆方向に巻いてクセを直してください。同しサイズのふすま複数枚を張り替える場合は、ふすま紙の柄を合わせて重ね切りするとよいでしよう。
6ふすま紙にノリをつける
あらかじめノリが塗られたふすま紙の場合は、スポンジを使ってたっぷりの水を裏面に広げて含ませて2~ 3分おいて紙が伸びるのを待ちます。
待つ間に、障子・ふすま用のノリを濃い目に溶いたものを、周囲2 ~ 3cmの部分にノリバケで塗ります。ノリつきでないふすま紙の場合は、ハケでノリを全面に塗り広げましよう。床が汚れないように、作業はビニールシートなどの上で行いましよう。
障子・ふすま紙用ノリ
障子やふすまを貼るためのノリです。水で溶いて使用します。
7ふすま紙を張る
水で濡らしたふすま紙の上にふすまをのせます。柄もののふすま紙の場合は、天地を問違えないようご注意くたさい。ふすまをふすま紙ごと裏返しましよう。この一連の作業は2人で行いましよう。なでバケで中央から外に向かって空気を追い出します。この際、表面に多少の凹凸ができていても、紙が濡れて伸びているせいなのでそのままにします。明らかにシワができている場合は、いったんはがして張り直してください。
なでバケ
ふすま紙をなでつけて密着させるためのハケ。