相続税対策 貸家建付地

『貸家建付地』とは、貸家の敷地の用に供されている宅地をいいます。
この貸家建付地については、自用地としての価額から借家人の有する権利の価額を控除した価額によって評価します。これは、借家人の存在により宅地所有者の自由な使用収益に制限が加えられることに配慮してのことです。
※使用貸借により父A所有の土地を借り受けた子Bが、その土地の上に建物を建築したとして、この建物を第三者であるCへ貸し付けている場合においても、その土地の価額すべては自用地として評価するとされています。
貸家建付地の価額は次のような計算で求められます。
「自用地とした場合の価額 - 自用地とした場合の価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合」
自用とした場合の土地の評価額
(1) 土地の相続税評価
土地を路線価方式で評価するのか、倍率方式で評価するの
かを判定するためには、税務署に備え付けの財産評価基準書
を調べます。
この財産評価基準書は路線価図と評価倍率表の2つから
成っています。評価対象となる土地の所在する評価倍率表の
該当箇所を調べれば、その土地を路線価方式で評価すべき
か、または倍率方式で評価すべきかが記載されています。
倍率方式によるべき場合には、固定資産税評価額に乗ずべ
き倍率が記載されています。
また、路線価方式によるべき旨が記載されている場合に
は、路線価図の該当箇所を調べることになります。
(2) 路線価とは
路線価とは、道路に付された土地の1㎡あたりの金額です。
相続税や贈与税の土地評価に用いる路線価とは、国税庁が
設定する道路に付された土地の1㎡あたり金額のことです。
路線価は、おおむね土地の公示価格の80%相当額で設定さ
れています。
路線価は、路線価図という地図に付されています。評価対
象の土地が接している道路の路線価に、その土地の地積
(㎡)を乗じて計算した金額に各種の補正を加えた金額が、
その土地の相続税評価額になります。
路線価図は税務署に備え付けられているほか、国税庁の
ホームページでも閲覧することができます

借地権割合
借地権とは、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいいます(借地借家法2一) 。
借地権も相続税や贈与税の課税対象になります。借地権には、次のとおり5種類の借地権が存在します。
(1) 借地権(旧借地法、借地借家法第3条)
(2) 定期借地権(借地借家法第22条)
(3) 事業用定期借地権等(借地借家法第23条)
(4) 建物譲渡特約付借地権(借地借家法第24条)
(5) 一時使用目的の借地権(借地借家法第25条)
借地権の価額は、借地権の目的となっている宅地が権利の付着していない、自用地(他人の権利の目的となっていない場合の土地で、いわゆる更地をいいます。以下同じです。)としての価額に借地権割合を乗じて求めます。この借地権割合は、借地事情が似ている地域ごとに定められており、路線価図や評価倍率表に表示されています。路線価図や評価倍率表は、国税庁ホームページで閲覧できます
